名前?苗字? ひろやすの生き様ブログ

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本日のつれづれ no.461 〜渡辺京二 『逝きし世の面影』第1章 -ある文明の幻影-①〜

2017.07.03  【469日連続投稿】

 

  渡辺京二さんの『逝きし世の面影』を読み深めるためにも、しばらく書き続けていこうかなと思っています。

この本は、幕末から明治初期の日本を外国人からの視点でどんな国どんな生活の営みをしていたのかなどが書かれています。

 しかし、具体的な内容に入って行く前に、第1章の最後に作者の意図が書かれているのを抑えずに深めることはできないだろうと思います。

 

 私の意図するのは古きよき日本の愛惜でもなければ、それへの追慕でもない。私の意図はただ、ひとつの滅んだ文明の諸相を追体験することにある。外国人のあるいは感激や錯覚で歪んでいるかもしれぬ記録を通じてこそ、古い日本の文明の奇妙な特性がいきいきと浮かんで来るのだと私はいいたい。そしてさらに、われわれの近代の意味は、そのような文明の実態とその解体の実装をつかむことなしには、けっして解き明かせないだろうといいたい。

 

渡辺京二『逝きし世の面影』p.65

 

『逝きし世の面影』の著者である渡辺京二さんは、単純に「古きよき日本がいい」と言いたいわけではなく、外からの視点があるからこそ実態が分かるのだといっています。
そしてさらに、今日の日本を知る上でも、大きく文明が変わるきっかけとなった当時を知ることが大切なのだろと言っている。この思慮深さになんとも魅了されている私がいます。

 

おわり。