名前?苗字? ひろやすの生き様ブログ

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本日のつれづれ no.519 〜渡辺京二『逝きし世の面影』第10章-子どもの楽園-⑥〜

2017.09.01  【529日連続投稿】

 

 「日本ほど子供の喜ぶ物を売るおもちゃ屋や縁日の多い国はない」とグリフィスは言う。だが、彼があげる大道芸やのぞき眼鏡や講釈やしんこ細工や見世物は、子どもだけでなく大人も楽しんだのである。それを見る大人たちはたいてい口をあけていると、オールコックが書いている。スエンソンによれば「日本のおもちゃ屋は品数が豊富で、ニュールンベルクのおもちゃ屋にもひけをとらない。みな単純なおもちゃだが、どれもこれも巧みな発明が仕掛けてあって、大人でさえも何時間も楽しむことができる」。ヒューブナーも言う。「玩具を売っている店には感嘆した。たかが子供を楽しませるのに、どうしてこんなに知恵や創意工夫、美的感覚、知識を費やすのだろう、子供にはこういう小さな傑作を評価する能力もないのに、と思ったほどだ。聞いてみると答えはごく簡単だった。この国では、暇なときはみんな子供のように遊んで楽しむのだという。私は祖父、父、息子の三世代が凧を揚げるのに夢中になっているのを見た」。

 

渡辺京二『逝きし世の面影』p409

 

おわり。