2018.04.10 【750日連続投稿】
秋の夜に、
僕は僕が破裂する夢を見て目が醒めた。
人類の背後には、はや暗雲が密集してゐる
多くの人はまだそのことに氣が付かぬ
氣が付いたところで、格別別様のことが出来だすわけではないのだが、
氣が付かれたら、諸君ももつと病的になれらるであらう。
デカタン、サンボリスム、キュビスム、未来派、表現派、ダダイスム、スュルレアリスム、共同製作・・・
世界は、呻き、躊躇し、萎み、
牛肉のやうな色をしてゐる。
然るに、今病的である者こそは、
現實を知ってゐるやうに私には思へる。
健全とははや出来たての銅鑼、
なんとも淋しい秋の夜です。
『中原中也詩歌集「脱毛の秋」』より
おわり。