2018.04.12 【752日連続投稿】
ル・コント:作家はつねに自分について書く、とおっしゃっていますね。どうしてドストエフスキーは、ああいうすべてのものを自分の裡に見出すことができたのですか。
シオラン:たくさん苦しんだからですよ。彼がそう言っています。それが認識なんですね。私たちが認識を獲得するのは苦しみによってであって、読書によってではない。読書には一種の距離があります。生こそほんとうの経験です。つまり、生において私たちはあらゆる挫折を経験することもできれば、またそこからさまざまな省察も生まれます。内的経験でないものは、すべて例外なくうすっぺらですよ。私たちは何千冊という本を読むことはできる。でもそんなものは、不幸の経験、私たちを震撼させるすべてのものとは違って、ほんとうの学校ではないでしょう。ドストエフスキーの生涯は地獄でした。彼はあらゆる試練、あらゆる緊張を経験した。おそらく彼は、内的経験においてもっとも深い作家です。限界にまで行きました。
『シオラン対談集』より
「若いうちに苦労は金を払ってでもしておけ」
という言葉を誰かから聞いた。
楽に生きるのもよし。
だけれども、自分が生きたい道は苦労する道なんだろうなと思う。
わざわざ金を払って苦労はしたくないけど、目の前からやってくる苦労から目を背けずに苦労を楽しもうと思います。
おわり。