2018.05.23 【793日連続投稿】
世の中では「癒し」という言葉が流行っているけど、曖昧な言葉ですね。その人間を変えようとする力がないし、生ぬるいお風呂に何時間も使っているように、今のまま気持ちよくとどめようとするだけで、自立の意欲を殺すものが多い。美術にとって必要なものは自立なんです。人を救うということは、人を自立させることだと思う。「癒し」なんてどこにも自立がない。あくまでも社会の中の個人じゃなく、俗世から切り離されたこの目覚めしかないと思う。
横尾忠則『横尾流現代美術』より
癒したい言葉には、疲れをとったりリフレッシュしたりということをイメージさせますが、それは元の状態に戻るために必要なことで、常に疲れていない状態ってのはむしろふやけてしまいます。
癒しだけでは、変化もなければ変わることはないのです。
おわり。