2018.12.25 【1004日連続投稿】
この半年『技法以前』(著:向谷地生良)という本をかいつまんで読んでいます。
この本は北海道浦河にあるべてるの家という場所から始まった当事者研究の中で重要な概念(考え方)と出会ったと思っている。
その概念とは、「自分を助けることを助ける」という概念である。
著者の向谷地さんが大切にしていると語る「自助の援助」というものからこの概念を探っていくと、そもそもの始まりは「天は自ら助くる者を助く」という言葉からである。
この言葉の意味は「人に頼らず自分自身で努力する者には、天が助け、幸福をもたらすということ」だ。
自分で自分を助ける気がないのに、他人の助けばかりに頼ってしまうことは、言い換えれば「依存」であると思っていた私に衝撃を与えたのは、「孤立」だと聞いたからである。
この言葉を理解するには、自分というものの捉え方が重要で自分という中に色んな自分がいると考えることが必須である。
苦労している自分のことを誰かに頼ることは、一見上手な自分の助け方だと思っていたが、何でも誰かに頼っていては自分の足では歩いていけない。
だから、自分で自分を助けることを助けるように向谷地さんはしてきたのだ。
だから、苦労している人にむやみに助けようとしてはその人自身が助ける機会を失いことに繋がってしまう。いつでも、本当に助けを求められたら応じられる距離感で見守っておくことも支援なのだと思います。
これは「支援」を「教える」という言葉に置き換えても全く一緒。
自分で学ぶ機会を教えてしまっては、奪ってしまう。
そんな教えたいと思っている自分自身もどうやったら助けられるのだろう?学べるのだろう?と苦労の出発点を自分に置き換えてみれば、むやみに手足を出さないことに繋がるのではないかって思っている。
おわり。