名前?苗字? ひろやすの生き様ブログ

「ひろやす」と聞いて、名前だと思われる方が大半です。

本日のつれづれ no.1003 〜構造主義の根底にあるもの〜

2019.01.20  【1030日連続投稿】

 

 私たちは自分が「ほんとうのところ、何ものであるのか」を、自分が作り出したものを見て、事後的に教えられます。私が「何ものであるのか」は、生産=労働のネットワークのどの地点にいて、何を作り出し、どのような能力を発揮しており、どのような資源を使用しているのかによって決定されます。

 自己同一性を確定した主体がまずあって、それが次々と他の人々と関係しつつ「自己実現する」のではありません。ネットワークの中に投げ込まれたものが、そこで「作り出した」意味や価値によって、おのれが誰であるのかを回顧的に知る。主体性の起源は、主体の「存在」にではなく、主体の「行動」のうちにある。これが構造主義に一番根本にあり、全ての構造主義者に共有されている考え方です。それは見たとおり、ヘーゲルマルクスから二〇世紀の思考が継承したものなのです。

 

内田樹『寝ながら学べる構造主義』p.31〜32

 

自分が何者であるか?

ありのままの自分とは何か?

そのような問いは考えて見つかるものではない。

自己の行動をどう意味や価値をつけるかで、おのれが何者であるかということを知る。

 

というのが構造主義の根底にある。

 

おわり。