2019.07.16 【1208日連続投稿】
胃袋というものは、中身が空っぽになったら、すぐに食物を催促するーーそんな自動機械ではありません。ちゃんと朝・昼・夜とか、あるいは春・夏・秋・冬などといった、大きな宇宙的な要素、つまり、われわれの所属する「太陽系」の、天体相互の運行の法則に、きちんとしたがって動いているのです。あとで申し上げますように、胃袋のそのものが太陽系の一員なのです。太陽系の運行に、いわば「共鳴」している・・・これが本日の話の出発点です。
最近、朝食拒否とか投稿拒否とかの問題がやかましくいわれていますね。朝めしだけというのなら、困ったことぐらいで済ませることもできましょうが、こと登校の問題になると、そう簡単にはゆきません。なにか原因があるのか、いろいろせんさくします。専門家たちは、その性格形成をつねに問題にする。“朱に交われば赤くなる・・・”といった工合に、幼児からの生活環境ーーたとえば、両親の性格だとか、家庭の環境だとか、さらには社会環境だとか・・・いろいろ分析しますね。しかし、私は、周囲のそうした「外部環境」が大切であれば、それと同じように。本人に「内部環境」つまり肉体の問題も大切ではないかと思う。というよりものの順序からゆくと、この肉体の情況を知ることのほうが、はるかに先決です、こんなわかりきったことが、どうも学校教育の大切な場で、まるきり欠落しているようですねェ・・・。
三木成夫『内臓とこころ』p.59〜60
外から与える刺激で人の全てが変わるなら、そんな楽なことはないし、そんな恐ろしいことはない。
周囲の環境はもちろん重要な要素であるが、その前に自分の内の環境を把握すること・その人の中の環境を知ろうとすることが、前提であったのか。