2020.03.09 【1445日連続投稿】
2日前の記事に松岡正剛さん著作『知の編集術』から編集稽古を紹介しました。
今回はその振り返りです。
まずはその編集稽古はこちら。
本日のつれづれ no.1413 〜編集稽古〜 - 名前?苗字? ひろやすの生き様ブログ
Aを「ここで、はきもの、ぬいでください」というふうに句読点(読点)を打てば、これは履物を脱ぐのだから玄関の張り紙になる。それでちっともおかしくはない。
ところが、これを「ここでは、きもの、ぬいでください」と句読点を打つと、このまま玄関に貼っておくのはやめたほうがいい。急に着物を脱げというのでは、来客がギョッとする。どうしても貼りたいならイメクラかソープか、あるいはお風呂屋の脱衣所に貼るべきだ。
Bも似たようなもので、「いや、よして」と句読点を打てばごくふつうだ。「やめてください」ととう意味になる。が、「いやよ、して」と区切ってみると、これはただごとではなくなってくる。やめてほしいのか、してほしいのか、すぐにはわからない。男はつねにこの句読点に迷わされ、そして騙されてきた。
こうして文脈というのは人を迷わせたり、興奮させたり、納得させたり、失望させたりする。句読点の打ち方ひとつで、全く意味がひっくりかえることがあるわけだ。要するに文意が変わってしまう。
松岡正剛『知の編集術』p.23〜24
おわり。