2018.02.25 【703日連続投稿】
インタビューゲームでは注意事項で「普段の会話や雑談にしない」というものがあります。意味合いとしては、聞き手と話し手の立場をはっきり決めているので、聞き手が自分のことばかり話し始めないようにするために用意された注意事項です。聞き手は基本的に「質問を発して相手を知る役割」と捉えていただいて構いません。
しかし、この注意事項を遵守するあまりに、「いいこと聞かなきゃいけない」「相手の話したいことを引き出してやろう」と肩に力が入ってしまうことがよくありますし、私もあります。でも、力んでいる時ほど、なんだか相手と距離があって、本当の相手が見えていなかったりするんです。
では、インタビュー取材そのものは、どうのぞむといいのか。ここでインタビューのコツをお伝えしようと思います。
とういうかこれ、編集ワークショップなんかやると、必ず質問されるんですね。
「どうしたら緊張せずにインタビューできますか?」とか「インタビューの心構えを教えてください」とか。
でね、僕からすると、もうこの質問がある時点で、どこかインタビューを勘違いしてしまっているなと思うんです。
というのも、インタビューとはいえ、あくまでも、普段に会話と違いはないからです。「はいっ、いまからインタビューさせていただきますね」なんてはじまったら、取材相手がぐっと身構えちゃうのは当然だし、何よりも自分が緊張しません?
小さな男の子がキャッチボールをするときに、まだそんなに腕力もないのにもかかわらず、自分から離れたところまで行って、ボールを投げようとするみたく、自ら会話というキャッチボールが成立しない距離まで離れちゃってるんです。
インタビューはあくまでも会話なんだから、単純なキャッチボールだと思えば、何も特別なことはありません。
藤本智士『魔法をかける編集』p.155〜156
おわり。